5月30日にDocomoの通信障害が発生して
5時間半程度一部エリアで
スマホが使用できないという事態が発生しました。
現状スマホがない生活など考えられないといわれるほど
なくてはならないものとなっている中の障害となると
検索することは出来ないし
仕事が出来なくなる人もいるし
地図がなくて目的地に行けなかったり
株取引が出来なかったりと
色々不便になりますよね。
では
スマホが使えなかったときの賠償ってしてもらえるのでしょうか?
例えば
「電車の時刻表が見れなくて、乗り過ごしてしまった!」
「仕事が出来なくて納期に間に合わなかった!」
「地図が使えなくて、遅刻してしまった!」
「株取引が出来なくて大損してしまった!」
などの時に発生した損害は携帯会社が払ってくれるかどうかですね。
結論
ほぼ賠償されない
理由
Docomoの利用規約にどういったケースに
賠償できるか書いてあります。
第12章 損害賠償 (責任の制限)第63条
当社は、Xiサービスを提供すべき場合において、
当社の責めに帰すべき理由によりその提供をしなかったときは、
そのXiサービスが全く利用できない状態
(その契約に係る電気通信設備による全ての通信に著しい支障が生じ、
全く利用できない状態と同程度の状態となる場合を含みます。以下この条にお
いて同じとします。)
にあることを当社が認知した時刻から起算して、24時間以上
その状態が連続したときに限り、その契約者の損害を賠償します。
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d15.pdf
NTT Docomo Xiサービス契約約款より
と記載がありますので
24時間以上使えなかった場合のみで
かつ
基本料使用料(パケット定額とかも含む)の日割り計算でしか
補償をしてくれないようです。
1日中使えなかったとしても
基本料6000円だったら、200円しか補償しないということです。
突破口があるとすれば
下記の規約が適用されるくらいでしょうか。
4 当社の故意又は重大な過失によりXiサービスの提供をしなかったときは、
前3項の規定は適用しません。
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d15.pdf
NTT Docomo Xiサービス契約約款より
前3項の規定とは、
「日割り計算でしか補償しません!」
のところですね。
重大なミスや故意で障害が発生したら、
基本料以外の賠償責任が発生するかも
という一文ですね。
原因は不明ですが、今回の障害が故意や重大なミスであれば
民事で請求できるかもしれません。
ただ過去の通信障害の例を見ると
中々故意や重大なミス判定にはならなそうです・・・
判例
ではそんな携帯会社に有利すぎる規約は不公平だ!
という理由で裁判を起こした例が過去にありました。
1984年11月16日、東京の世田谷電話局地下の通信ケーブル専用構内で火災が発生し電話ケーブルが焼損したため、世田谷区東部、渋谷・目黒区の一部で、一般加入電話約8万9千回線、データ通信回線・専用線など約3千回線が不通となった。直ちに復旧作業が始められたが、一般加入電話が回復し始めたのは20日であり、24日ようやく全面回復した。
この事故に対し、電話が不通となったため出前や注文が止まったとして地元の飲食店主ら90人が原告となり、日本電信電話公社(現NTT)に対して、総額4700万円の損害(売上減少の営業損害、通信途絶のため商売がどうなってしまうか悩まされた精神的苦痛による慰謝料)の賠償請求をした。債務不履行責任、国家賠償法第一条の責任及び使用者責任、使用者責任、工作物責任、営造物責任について争われたが、これを肯定するに足る証拠がないとし棄却された。また、この事故の実際の保障は「料金返還額」(公衆電気通信法第78条)と「損害賠償額」の合計でなされ、支払は12月分ないし1月分の電話料金と相殺し清算された。
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1996/00028/contents/120.htm
日本財団 図書館より
復旧に9日かかっていて、その際に発生した
売り上げ減少による損害を請求したものですが
訴えが棄却されています。
通信の大切さが2020年と1984年では違うので
再度裁判を起こせば、判決が異なる可能性はありますが
9日間の通信障害でもダメだったのでは
5~6時間の通信障害では厳しいかもしれません。
総務省に期待
このままお咎めなしで運営できるのかといえばそうではなく
電気通信事業法に
「1時間3万人以上に影響が発生した場合は総務大臣に報告」
という規定があり、
障害概要、原因、再発防止策などを報告しなければなりません。
あまり障害の頻度が高かったり
対策を実施しなかったり
同じようなミスを多発させたりすると
電波の免許取り消しという可能性もあるでしょう。
電気通信事業者としての登録を消される可能性もあります。
総務大臣=我々の代表
が、しっかりと対策を指示してくれるというわけですね。
(実際は官僚の方かもしれませんが)
再発しないようにしっかりと指示してほしいですね。